洗脳と聞くと自分とは全く関係のない世界のように感じるかもしれませんが、意外とあなたの身近に存在する可能性があります。

皆さんが普段目にしていた芸能人が洗脳される事例。

コピーライティングとは関係がない感じもしますが、人の心を読む、という上で知っておいても良いと思います。

今回は辺見マリさんの洗脳事件に関して洗いざらい紹介します。

 

 

今回の話は、バラエティ番組「しくじり先生」で語られた一部始終です。

1人の人生を記した記事ですので、非常に長い話です。

詳細まで記述したため、読むが大変かもしれません。

 

そのため、興味本位ならばここでやめておいた方が良いかもしれません・・・。

 

ただ、やはりとても興味深い話ではあります。

 

誰にでも起こりうる洗脳の世界を体験できます。

苦痛でなければご覧ください。

 

バラエティの域を超えた話で、是非とも後世に語り継ぐべき内容になっています。

 

まずは、洗脳を受けやすい性格と、洗脳までのステップを紹介します。

辺見マリさんは自分自身、まさか洗脳を受けるとは思っていなかったそうですが、振り返ると洗脳を受けやすい性格だったと分析います。

●責任が強いしっかり者
●頑固で負けず嫌い
●完璧主義

このような性格の人は洗脳を受けやすいそうです。

 

洗脳までの4つのステップ「AOSK」。このポイントを踏まえて読んでいってください。

•安心
•驚き
•嫉妬
•囲い込み

1つずつ紹介します。

 

 

拝み屋Kの洗脳

辺見マリさんは、マネージャーから拝み屋Kを紹介されました。

そこには、拝み屋Kを筆頭に信者A、Aの兄、マネージャーが集っていました。

まずはどのように洗脳されてしまったのか・・・。

そこが重要ですね。

 

辺見マリさんだって別に洗脳される気満々だったわけではないんですよ。それなのに洗脳されるに至ってしまう過程が恐ろしすぎます。

先ほど紹介した洗脳の4ステップ。

 

「安心」

まずは、拝み屋Kから家族を紹介され、安心感を与えられました。そして、宗教活動の常套手段。相手の相談をとにかく聞くという行為に出ます。

しかし、やられている側からしたら、これは非常に安心感を与えます。恋愛でも聞き上手はモテるといいますからね。

 

 

「驚き」

そして安心感を与えた後はいよいよ拝み屋の腕の見せ所。

自分は本当に神の声が聞こえるんだということを示さなければいけません。そこで拝み屋Kはマリさんに自分しか知らないような娘えみりさんの視力低下の事実を言い当てます。

しかし、後々考えたところこれは元マネージャーとぐるだったため情報を吹き込んでいたと考えられるのです。怖すぎ。汗

 

 

「嫉妬」

上記で信仰者Aがいるということを書きましたが、厳密にはここで信仰者Aが登場します。

そして、その同じ信仰者でありながら、自分よりもAに対して親密に教えている拝み屋Kの姿を見せて嫉妬心を煽るのです。

 

 

「囲い込み」

そして、最後はその拝み屋Kを取り巻く環境だけをそのターゲットの「社会」にさせるのです。つまり他の社会とのつながりをすべて絶たせるのです。

こうして辺見マリさんは芸能界を引退するのです。

 

その当初はまさか自分が洗脳されるなんて思ってもみなかったものの、神の声にしたがっていれば幸せになれるという安心感と驚きから拝み屋Kには1000万円のお金を取られることになります。

 

そして、突然拝み屋Kは言いました。

「神様の声が聞こえなくなった」

そして、失踪するのです。

ここまでで約半年間。

 

ここまで1000万円騙し取られているのですが、ここから本当の洗脳の恐ろしい事件へと発展していきます。

 

 

 

拝み屋Aの開眼

拝み屋Kがいなくなったと言う事は、洗脳する親玉がいなくなったと同じですから、マリさんにとっては逃げるチャンスでした。

しかし、そこでマリさんが抱いた想いと言うのは、「何かにすがりたい」・・・。

洗脳って恐ろしいですね。汗

 

そこで拝み屋Kの信者だったAの一家とマリさんは拝み屋Kが不在である中でも修行を続けました。その修行はマリさんがお金を出した物件で行われ、ホテル住まいだったAの一家はそこに引っ越してきました。

 

すると突然Aはこんなことを叫びました。

「神様の声が聞こえた!」

拝み屋Aが誕生した瞬間でした。第三者からしたら「うそー!!!!」と思ってしまいそうなものですが、洗脳されてしまっているマリさんにとってはありがたい存在。

すがれる存在がこんなに身近に誕生したことで、当然信仰の対象は拝み屋Aに移行していくのです。

ここで元マネージャーは拝み屋Aの一家に追放されました。

 

そこで拝み屋Aはマリさんに告げます。

「お金を捨てて浄化しなさい。お金と言うものは汚れているのです。そのため、どんどん捨てないさい。」

これはお金を取る時の常套句として使用されている言葉のようで、信仰の対象からこの言葉を言われたマリさんが当然お金を捨てようとします。

 

では、どのような方法でお金を捨てさせようとしたのか。そこで拝み屋Aが言った言葉はこれです。

「ギャンブルをしにマカオに行きなさい。」

嘘のような話ですが、実は拝み屋Kの時点でこの話はあったそうです。

ギャンブルにお金を使用することで浄化されるという・・・なんともけったいな話ですが、当然マリさんはその指示に従っていきます。

つまり拝み屋Aは拝み屋Kが残した言葉を引き継いだのです。

ここ、重要です。

Aはかつてカジノのディーラーをしていた実績もあったそうで、今考えるとかなりのギャンブル好きだったとマリさんは振り返っていました。

 

そして二人でマカオへ。

 

 

最初に拝み屋Aがマリさんに要求した金額は500万円。

ギャンブルで勝負をするのはいつも「バカラ」。

マリさんはお金を出す役割で拝み屋Aが実際にギャンブルを事項していたそうです。

マリさんは出目表をつけてサポートもしていたようですよ。笑

 

この時の心情として、ギャンブルで当たったとしても、お金を捨てて浄化するために来ているため、それは苦になるような心境だったそうです。

お金を浄化させることで次の指示はもっといいことが起きるのではないか・・・という思いで必死に拝み屋Aについていったマリさん。

拝み屋Aの要求は1回で1000万円~2000万円にまで膨れ上がるようになってきました。

マカオに行く回数も1カ月で3、4回にまで拡大。

最終的には25回マカオに行き、パスポートのスタンプがマカオでいっぱいになったそうです。

 

ギャンブルでの戦績は全敗。今考えたら、負けたふりをしてお金を隠していた・・・?という疑問が浮かんでくるようですが、その当時は疑うことさえもしていなかったようです。

というのも、マリさんはカジノにおいては素人であり、どの程度のお金をチップに換金しているのかはわからなかったという背景もあったようですね。

 

 

ついに貯金が0に

 

貯金は1億4000万円。

そしてついに恐れていた事態がやってきます。

家族を養うためのお金が0・・・。

つまり1億4000万円を拝み屋K、拝み屋Aに奪われたということになります。

しかし、お金を工面するため生命保険を解約したり、貴金属を売って拝み屋Aの要求に応えられるように必死にお金を工面していました。

 

 

そして、拝み屋Aはお金がそこを突いて何とか工面しているマリさんにこのような指示を出します。

「神様を迎えるお社を建てるから借金をしなさい。」

 

これも洗脳を行う人にとっては常套句だそうです。

しかし、お社は莫大なお金が必要になります。そこで拝み屋Aが言った言葉は

「借金したお金をギャンブルで増やします。ラスベガスにも行きなさい。」

 

 

もうね。ここまで来たら意味わからないんですよ。

お金を浄化するために棄てる指示を出した後に、ギャンブルでお金を作るっている指示をしてくるのですから。

しかし、マリさんはこの矛盾した指示にも従います。

拝み屋Aは1回2000万円を要求してきます。

ついに銀行から借金をしてお金を工面するようになりました。

ここまでくるとギャンブルを行う現場にマリさんは同行せず、現地に2000万円を送付するようになっていったようです。

拝み屋Aからは「家でこういう修行をしてなさい」という指示が出ており、Aの兄が監視を行ったりもしていたそうです。

 

この時のマリさんの生活費はどのように工面されていたのかと言うと、

実は拝み屋Aから「生活費」を渡されていたそうですね。その金額と言うのも、家族の生活の様子を変えないような金額を生活費として渡されていたそうです。

ここが非常にうまい所。

事態の発見を遅らせる働きを持っています。

 

しかし、ついには銀行もお金を貸してくれなくなってしまいました。

もうこの話は終焉を迎えるような気がしてきますが、マリさんはここから3つの「しくじり」を犯しました。

 

 

3つのしくじり

3つのしくじりと言うのは以下のようなものです。

  • 自宅を売却
  • 知人に借金
  • 娘・えみりさんのギャラを使用

自宅を売却し、借家に住むようになりました。

当然、拝み屋Aからのお金の要求はずっと続きます。

 

そして、色んなつてをたどって軽い関係の人にもお金を借りるように・・。

 

さらには、娘の辺見えみりさんが芸能界での活動を行うようになってきた時期ですので、そのお金にも手を付けてしまいました。

マリさんはこの一連の話の流れの中でも、このえみりさんのお金を使ってしまったことを最も悔いていました。

こうした流れの中でも「お神さんごっこをやめよう」と拝み屋Aに漏らしたこともあるそうですが、その都度弱みを付け込まれて丸め込まれてしまうという状態だったようです。

ここまでで拝み屋Aに使い込んだ金額は3億5000万円。

 

この当時の食事が非常に特徴的で、マリさんの食事はご飯のおかずに大盛りナポリタンが定番だったそうです。

 

 

これは拝み屋Aに強要されたご飯なのですが、これにより体重は20kg増加し72kgに。

 

この理由として立正大学の社会心理学教授である西田公明さんは以下のように分析しています。

洗脳する側は劣等感を抱いている人間が多い。
お金を取る目的以外でにきれいな女性を太らせ、魅力を失わせ自分の優越感を得ようとする場合がある。

 

急に太りだした女性が周囲にいたら危険信号です。

お金を持っている女性がターゲットになりやすいですから、女優さんなどで激太りした人などがいたら危ないということです。

お笑い芸人でも割と最近、皆さんでも思い当たる人がいますよね。

 

 

仕事への復帰

もうここまでくると売るものもなく、どう頑張ってもお金の工面をすることができなくなってしまいます。そこで拝み屋Aが言ったのが

「仕事に復帰しなさい」

復帰のため20kg減量を行い、新マネージャーは拝み屋Aの兄が就任しました。この理由としては

  • 拝み屋Aがやらせたい仕事で稼がせる
  • 仕事現場で辺見マリを監視できる

という目的があったようです。

 

 

自叙伝を出版

仕事の指示として真っ先に挙げられたのが自叙伝「空白の1095日」の出版。

自叙伝の内容としては

  • A子と幼なじみ(ここでのA子は拝み屋A)
  • A子の押し目を取り換えたことがある
  • 再会したのが3年前
  • 仕事のストレスからきた体調の崩れでマカオへ
  • 生活費+αを稼ぐつもりでギャンブルをした
  • A子は計算通り勝ち進んでいる

というもので、拝み屋Aの指示にて書きました。

 

 

ヘアヌード写真集発売

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51nJd%2BzRz4L.jpg引用

 

当時42歳。1993年6月にマリさんはヘアヌード写真集を出版しました。

これは当時としてはかなり話題になったものですよね。

宮沢りえさんがヘアヌード写真集を出版し、次はだれが脱ぐのか・・・と話題が大きかったところに辺見マリさんの出現。

宮沢りえさんの出版があってから、マリさんの周囲にはずっとオファーがあったそうですが、拝み屋Aによりそれが解禁。

ちなみに表紙の蛇はAのアイディアだそうです。

この出版に関してはさすがに家族に相談をしたそうで、マリさんの意思ならばしょうがないというところにいたったそうですが、娘のえみりさんは撮影当時に、撮影を拒んで抱き付いてきて泣きじゃくっていたそうです。

 

しかし、自分で決めたことだし、家族の幸せのためだからとマリさんは説得して仕事へ。

ドタキャンがあたえる周囲への迷惑なども考慮したそうですが、相当の鉄の意思があったと推察できます。

 

 

 

ダイエット教室

 

こうした一連の活動を行ったうえで拝み屋Aは

「ダイエット教室をやりましょう!」

と提案します。

 

これが最後の拝み屋Aの要求であり、マリさんが洗脳から解けていくきっかけになりました。

マリさんはダイエットをして20kg痩せた実績があるため、その本を出版をして、ダイエット教室を開業しました。

入会金100万円なのに予想以上に生徒が集まったそうです。

しかし、実際に生徒には感謝をされたようで、この仕事は予想以上にやりがいがあったとマリさんは振り返っていました。
 

拝み屋A失踪

そしてついにAは生徒の入会金2000万円を持って失踪しました。

もうマリさんからお金を取ることはできないと判断した上での失踪だったようです。

しかし、マリさんはここで拝み屋Aに対して「怒り」の感情が湧いていきます。拝み屋Kが失踪した際には次の依存先を見つけるのに必死だったマリさんでしたが、なぜこのような感情の違いが生じたのでしょうか。

 

その理由としては

  • マリさんが社会へのつながりを取り戻した
  • Aが逃げた際に持って行ったお金は「自分を信じてくれたお金」

などの理由が考えられます。

 

マリさんが今まで貢いできたお金は「自分が信じて用意したお金」でしたが、今回のお金に関しては「自分を信じて用意してくれた生徒のお金」だったのです。

そのため、お金に対する重みが違ったとマリさんは振り返っています。

また、いろんな人と交流をすることが増えたことも判断の基準ができたため、非常に役立ったと考えられます。

 

 

 

洗脳が解ける

こうして洗脳から解放されていきます。

実に洗脳された期間は1988年から2001年までの13年間。

娘のえみりさんは11歳から24歳に成長しました。

 

この事件に関しては警察に依頼しているようですが、Aの居所がわからないためにまだ未解決の事件になっています。

 

ここまで見ていただけるとわかるかと思いますが

完全洗脳=無限のATM

の図式が完成します。自分の手を全く汚さずに人を使ってお金を工面させ自分に捧げさせるのです。

 

マリさんが洗脳を受けないために一番重要なものは

「途中でやめる勇気」

だと言っていました。

 

期限を決めることで、やめることができる環境を自分で作り出すことが重要なのです。

今後のマリさんの目標は娘のギャラを返すこと。

銀行などから借り入れたお金は返済を完了したそうですが、まだえみりさんへの返済が住んでいないとのこと。

そんなえみりさんずっと母が戻ってくることを信じて待っていました。

16歳の頃えみりさんが作った歌があるそうです。

 


色んな背景を知っていたら涙無くして聞けないような素敵な歌になっています。

 

 

「大切なのは神様の言葉ではなく、家族の言葉」

マリさんは最後にこの言葉を残しました。

 

洗脳されていた当時は神様の声を聴くあまりに、家族の声を聴いていませんでした。

家族を幸せにしたいがための、当初の思いなのにもかかわらず、家族の言葉には耳を傾けることができず、神の声だけに耳を傾けようとしていました。

苦しんでいる自分を救ってくれるのは家族なのです。

 

 

専門家の分析

番組の中では、立正大学の社会心理学教授である西田公明先生が分析した一コマもありました。その分析が衝撃的すぎます。

西田先生が言うには、拝み屋K、拝み屋A、Aの兄、元マネージャーはグルであり、元締めは拝み屋A。

拝み屋Kが失踪し、元マネージャーを追放したのは、次の仕事の段取りをするためであるというのです。

つまり元マネージャーはターゲットを見つけてくる役目であり、拝み屋Kは完全洗脳を作り上げるための存在であり、拝み屋Aは最初「信者」というターゲットと同じ立場で親交を深め、完全洗脳が出来上がった時に君臨するという図式。

西田先生は「個人よりも集団の方が効率が高い」といいます。

怖すぎる洗脳の世界。

このサイトではマインドコントロールについても触れてきましたが、怖すぎますね。

 

みなさんも、自分は大丈夫・・・ではなく、いつでも警戒心を緩めずに、そして家族の言葉に身をゆだねて生きて行ってください。

信じるか信じないかは、あなた次第。

 

このブログで紹介している数々の心理テクニック、コピーライティングのテクニックは、このような洗脳にも悪用できてしまう危険なものです。

ただ、使い方をただせば困っている人を導く手段でもあります。

どうか使い方を間違えずに、人の為にこの方法を活用してください。