ヘッドラインの重要性は、コピーライティングを学んでいるのであれば、痛いほど実感していることでしょう。
実際、ヘッドラインであなたの文章がゴミと化すのか、お金を生むのかが決まってしまいます。あなたが書いた文章は読まれなければ意味がないからです。
読まれない文章は、訪問販売で一軒も玄関先に入れてもらえず、顧客に話をすることが出来ない事と同じです。セールスをかけることが出来なければモノを売ることはできません。
それを象徴するかのように、コピーライティングがビジネスの根幹をなす「ダイレクト出版」の創業者小川忠洋さんは自身のブログに以下のような文章を書いています。
「何故、ヘッドラインが重要なのか?答えは言うまでもない。ヘッドラインは広告、セールスレターの全てのスタート地点だからだ。誰でも、広告以外どんなものでも読み物を読む時、人はヘッドラインを見てから、その読み物をもっと読もうか、読むのを止めるか判断する。」
日本有数のセールスコピーライター小川忠洋さんのブログより引用
セールスレターのスタート地点であるヘッドラインで読者の興味を引き付けることが出来なければ、先を読まれることはありません。あなたがどれだけそのコピー作成に時間をかけようが一瞬でゴミと化してしまう恐怖の瞬間です。
嫌ですね。
本当に嫌です。
想像しただけでゾッとします。
しかし、逆に見方を変えるとヘッドラインはあなたにとてつもないパワーを貸してくれます。
「ヘッドラインは、広告効果を非常に大きく左右します。不適切なヘッドラインを選んでしまうと効果は半減してしまうでしょう。反対にぴったりなヘッドラインを選べば、反響は2倍にも3倍にもなってはね返ってきて、何十年も愛されるようなセールスライティングとなるのです。」
「大富豪の起業術」著者マイケル・マスターソン
「現代広告の心理技術101」では興味深い調査結果が紹介されています。それは本のタイトルを変えるだけで年間売り上げ数が激増したというものです。このように変化しました。
旧タイトル | 年間売上数 | 新タイトル | 年間売上数 |
10時 | 2000冊 | あなたにとって芸術が意味すべきこと | 9000冊 |
ふさふさの金髪 | 5000冊 | ブロンドの恋人を探して | 5万冊 |
論争術 | 0冊 | 論理的に議論する方法 | 3万冊 |
カサノヴァとその愛人たち | 8000冊 | カサノヴァ・・・史上最高の恋人 | 2万2000冊 |
警句 | 2000冊 | 人生の謎についての真実 | 9000冊 |
「現代広告の心理技術101」より引用
これはヘッドライン(タイトル)を変えることで顕著に売り上げが変わった例です。より具体的なワードを入れたり、欲求に訴えかけるヘッドラインに変更したことで購入者の数は激変しました。
どんなに内容が良かったとしてもタイトル変更前は読まれることがない、価値のないコンテンツだとみなされてしまうのです。
恐ろしいです。
恐ろしいですが、希望でもあります。
あなたが書いている文章・・・そこからモノが全く売れていなかったとしても、それは文章そのものというより、ヘッドラインが読者を捕まえれていないだけなのかもしれないのですから。
素晴らしいヘッドラインは、実際に何十年も愛され続け、今でも語り継がれているものはたくさんあります。
ヘッドラインを始め、コピーライティングで使われた「反応が良かった文章」は他業種のセールスレターにおいて参考にされ、うまく利用されています。
そのため、良いコピー・良いヘッドラインは時代を超えてもなお使われ続けます。ゴミと化してしまう一方で何十年も使われ続けるものもあるのです。
人の本質というのは短い期間にそこまで大きな変化が起きないからです。多くの人が反応してしまったコピーは、何十年たった時代に生きる人も反応してしまうのです。
ゴミになってしまうようなコピーも、反応が良いコピーも同じように一生懸命に取り組んだはずです。だからこそ、どうせ書くならば読者の反応を少しでも得られるコピーを書きたいですよね。
そこで今回は読者を引き付けるヘッドラインの書き方についてまとめました。
ヘッドラインの書き方|ベネフィット
ヘッドラインを書くにあたり、まず絶対に意識すべきことは「ベネフィット」です。
ベネフィットは、あなたが勧める商品を購入者が使うことでどんなメリットがもたらされるか・・・という事です。
混同してしまいがちですが商品の性質そのものではありません。あくまでもその商品の性質や特性によって使用者がどのようなメリットを得られるか、という事がベネフィットです。
例えば、
「赤・青・緑の3色ボールペン」(性質)→「3色分のボールペンを買う手間、お金が必要ありません。さらには青色のボールペンが必要な時にペンケースをまさぐる煩わしさからも解放されます。だってあなたの手元に青色のボールペンを備えた3色ボールペンがあるのですから。」(ベネフィット)
「ヘッドラインには使用者が得ることが出来る最大のメリットを記載するべき」だというのが、ヘッドラインの基本的な考え方です。
これは何も僕個人が提唱していることではありません。
多くのコピーライターの愛読書「現代広告の心理技術101」にはこのように記載されています。
「人を説得したり、動機づけたり、何かを売ったりする帰化を失いたくなければ、絶対に絶対にごみのようなどうでもいいものは切り離さなくてはならない!一番簡単な方法は最大のメリットをヘッドラインに入れることだ。例外なく、常に!」
セールスレターにおけるベネフィットの重要性は聞き飽きるほどいろんな場面やいろんな人が説いています。
読者は商品を購入したくてお金を払うのではなく、ベネフィットを手に入れたくてお金を払うからです。商品そのものが欲しい人は単なるコレクターです。
あなたはコレクターにモノを売るのではなく、何か悩みを抱えていたり解決したい事柄をもつ人と商品をマッチングすることがコピーライターとして、アフィリエイターとしての仕事のはずです。
そのため、ダイレクトにヘッドラインで最大のベネフィットを紹介することは理にかなっていますし、読者の興味を引く最も簡単な方法というわけです。
ただ、1点注意が必要なことは「より具体的にする」ことです。
抽象的なヘッドラインでは、何を言いたいのかが読者に伝わりません。
例えばこのようなヘッドラインで商品の良さが伝わるでしょうか。
「この化粧品を使えば、あなたの肌が良くなります。」
もう少し具体的にしましょう。
「この化粧品は、あなたが抱える2つの肌トラブルを解決します。」
2つとは一体何だろう・・・と気になりますね。ヘッドラインに続く文章、一般的にサブヘッドと呼ばれる部分で具体的に解決できるトラブルを提示することで、その商品は自分にどんなメリットを与えてくれるかが明確になります。
もう少し掘り下げましょう。
「1日たった2分のケアで、乾燥肌が引き起こす2つの肌トラブルを改善しませんか?」
最初から比べるとかなり具体的になりましたね。「1日」や「2分」など数字を盛り込むことや「乾燥肌」などの誰もが想像できる単語を利用するとより具体的なヘッドラインが作成できます。
「何となく書いても伝わるでしょう」と思うかもしれませんが、あなたの意図を読み取って熱心にセールスレターを読んでくれる読者など存在しません。
抽象的に書くことで読者にはいちいち自分で解釈をする手間が増えるため、その少しずつのストレスが「セールスレターを読まない」という結果を生みます。
これはコピーライターとして最も避けるべきことです。あなたのちょっとした注意で回避できる事だからです。最大限の能力と体力をヘッドライン作成に注ぎ込みましょう。
では、ヘッドラインにベネフィットを入れるいくつかの例を提示します。
ベネフィット1を手に入れてベネフィット2を手に入れる
ベネフィットというのは、たいていの場合1つのベネフィットを手に入れることによって、もう1つのベネフィットが生まれることが多いです。
先ほどの化粧品の例で言うと、乾燥肌による肌トラブルが改善することによって得られることは何でしょうか。
肌が健康になることでニキビができにくい肌になります。
肌トラブルが改善することで人と話をする時目を見て話しを出来るようになります。
コンプレックスだった肌が改善することで自信溢れる毎日を過ごせるようになります。
このように1つのベネフィットはもう1つのベネフィットを生むことが多いです。
ある有名な本・・・D・カーネギー著「人を動かす」は、多くの人が知っているでしょう。心理分析や人の上に立つ地位に就いた人、教育者などがこぞって欲する情報が書かれている名著です。
実は「人は動かす」には元々の題名があったことをご存知ですか?そのタイトルというのが
「友達を増やして影響力のある人間になる方法」
元々はこのタイトルで数百万部もの売り上げを記録しました。見て分かりますか?見事にベネフィット1がベネフィット2を生んでいます。
そして、それをそのまま本のタイトルにすることで大きな人気を博したのです。
多くの人がベネフィットにとらわれ過ぎて、「その先」を見ていませんので、こうしたヘッドラインを作成することで周囲と差別化のあるヘッドラインを作成することが可能です。
手っ取り早く簡単な方法
これは先ほど示した「1日たった2分のケアで、乾燥肌が引き起こす2つの肌トラブルを改善しませんか?」が当てはまります。
条件などを付け、読者に「ベネフィットを得ることは簡単である」ことを示します。
人は怠惰な生き物。これはどうしようもなく真理であり、くつがえしようのない事実です。
そのため、読者が最も欲しがっているベネフィットを簡単に手に入れることが出来ることを示せば、興味や関心がぐっと高まります。
条件付きでベネフィットを提示することは他のメリットもあります。このようなヘッドラインを見たらどう感じるでしょうか。
「3カ月で月収10万円増えるメソッド公開!」
もう見飽きていますよね?
このようなうたい文句の情報商材やメルマガ誘導文は非常に多いです。
しかし、こうなるとどうでしょうか。
「1日2時間だけください。その結果、3カ月後にはあなたの月収に10万円を増やしてみせます。」
「1日2時間」という条件が付けくわえられただけで、信頼性が増したような印象を受けませんか?
このように条件を付けてベネフィットを提示することは、「信頼感」を演出することも出来るのです。
また、「無料」も効果的です。「無料」で手に入れることが出来るベネフィットがあれば是非ともそれは読者に示すべきです。
誰一人として無駄なお金を払いたくはないのですから。
インターネットでしか販売されていない商品の場合、返金保証を付けていることが多いです。それは条件を満たせば無料でお試しが出来るという事ですので、使用者にとっては大きなメリットだと言えます。
そこで、「無料」を前面に押し出したヘッドラインを作成するのです。
「30日間無料で使える、効果が期待できる唯一の化粧品をお教えします。」
怠惰で無料に食いつく人間・・・なんて卑しいんだろう・・・と感じるかもしれません。そんな人間の一員であることが恥ずかしくなりますね。
しかし、人の本質とはそういうもの。
だからこそ、その本質を利用したコピーライティングというスキルが誕生したのです。
新情報
人はニュースや情報を求めています。その中でも新しいこと、周囲で起こっていることにより興味・関心があります。
そこで、目新しさを強調したようなヘッドラインを作成することで、そのセールスレターはフレッシュ感を漂わせ、イキイキとした魅力あふれるものになります。
具体的にはこのようにします。
「お知らせします。モンゴル由来のスカルプシャンプーがついに誕生。モンゴル人はハゲている人が少ないことをご存知でしたか?」
「新刊発行。脳科学的に見た長寿の秘訣を公開します。」
「注目!2016年最も人気を獲得したシャンプーを期間限定40%オフでご提供します。」
「今日からあなたの肌は生まれ変わります。継続さえできれば自信を取り戻すことが出来ます。」
特定のターゲットに訴えかける
あなたは手紙を書くときどうしますか?
おそらく最初にこう書きますよね。
「〇〇様へ」「親愛なる○○へ」。
これをそのままヘッドラインに入れてしまうという方法です。
「今まで成果が1ミリも出なかったノウハウコレクターのあなたへ」
一見ベネフィットが提示されていないように感じますが、これは同時に「このノウハウを買えば成果が出ないノウハウコレクターを卒業できますよ」という事を暗示しています。
先ほど読者に想像させてしまうことはストレスになると書きましたが、このヘッドラインの場合は特定のターゲットに呼び掛けている形ですので、当てはまっている人や気になっていた人は思わずドキッとしますよね。
自分に向けられたメッセージだと分かれば人は意外と素直にその文章を読みます。
特定の旗印に向かって放つヘッドラインなので「フラッキング」とも呼ばれる手法です。
社会的証明
社会的証明とは、自分が持つ意見が自分1人だと不安を感じますが、誰かか指示をしてくれるとその心理状況が一変することを指します。
少々難しい言い方をしましたが、あなたもそのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。
人間は自分1人だと不安に駆られてしまう生き物です。誰かが同調してくれることでもたらされる安心感を感じたこと、ありますよね。
だからこそ、自分を絶対に肯定してくれるような恋人や奥さん、家族という存在はとても大切な存在となるわけです。恋人かあ・・・おっと失礼。笑
この「社会的証明」を利用してベネフィットを紹介したヘッドラインを作成してみましょう。
「この化粧品は乾燥肌に悩む300万人の肌トラブルを解決に導きました。」
「楽天ヘアケア部門・オーガニック部門1位に輝いたシャンプー。」
このように多くの人が使用した証拠を示しつつ、さらにその人たちはどのようなベネフィットを得たのか、どのような悩みを解決したのかが簡潔にわかるヘッドラインは魅力的です。
以上がベネフィットを活用したヘッドラインの書き方です。
「第1行目の最大の目的は、第2行目を読ませること。第2行目の最大の目的は、第3行目以下を読ませること。」
「全米NO 1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術」著者ジョセフ・シュガーマン
コピーライティングにおいて、まずはヘッドラインで読者の興味を引き付け、少しでもセールスレターを読み進めてもらうことが最重要課題です。
誰も自分のコピーをゴミにしたい人はいません。
読まれないことには何も始まりません。
近年では、情報や広告に溢れすぎているため、「広告らしさ」を前面に出してしまうとセールスレターが読まれない・・・という主張をしている人もいます。
もちろん最大のベネフィットをヘッドラインに入れることは基本的な書き方です。決して間違いではありません。しかしそれによってあまりにも商品を売りこもうとしていると「広告らしさ」が出てしまいます。
ヘッドラインにベネフィットを入れることは間違いではありません。ただ売り込み過ぎな印象を与えない書き方も知っておくことで引き出しが増えますし、あなたにとってプラスに働くことは間違いありません。
では、「広告らしさ」が出ないヘッドラインとはどのようなものなのでしょうか・・・。
それについては次回!お楽しみに。