セールスレターにはストーリーが良いとよく聞きますが、それはなぜなのか。

なんとなく反応が良いから入れておけ、と思っていませんか?

そこで今回は、コピーライティングにおけるストーリーの重要性を説明したいと思います。

 

こんにちは。ぱずーです。

僕はよく登山に行きます。

登山は苦しいですが楽しい。体をボロボロにしながら山頂を目指すのは実際意味の分からないことですが、それでも僕はまた山に登ってしまいます。

登山は大抵4時間から10時間程度かかるので、朝3時頃に起きて山に向かいます。かなりの早起きですし、そのせいで睡眠時間はほとんど取っていない場合が多いため眠気がものすごくあるのですが、それでも圧倒的にワクワク感が勝ちます。

前日に用意しておいたおにぎりやリュックを背負い、いざ出発。

山に向かうときは必ず早朝のコンビニによって食料や水分を調達します。山に近づいてしまうとコンビニがほとんどないので、街から抜ける前にコンビニに寄ることが多いです。

しかし、そのコンビによっては店員の態度が非常に悪い場合があります。

「いらっしゃいませ」の声も小さくて言っているのか言っていないのかが分からない。

笑顔のかけらもなく、1回も目を合わせようとはせず、「早く帰ってくれ」と言わんばかりの雰囲気を漂わせ、レジを打つときにはガサツで物音を余計に立てる。

僕が店を出るときには「ありがとうございました」の一言がなく、一刻も早くこのコンビニを立ち去りたいと思ってしまいます。

日本は接客サービスが過剰な事で知られていますので、我々はついつい「良い接客」に慣れてしまっています。

ぶっきらぼうで、愛想がなく、眠気満開な態度は、そのコンビニ入ったことを後悔させるほど不快な思いを抱かせます。そんな思いにさせられると、なぜだかそこのコンビニで購入した食料や水分も美味しくない印象を抱かせるから不思議です。

当然、その後に待ち受ける登山へのワクワク感も一時ではありますが、しぼんでしまいます。

 

これは受動的に出てくる感情です。

人が発する感情などを受け取ることにより、それに影響されて抱いてしまう感情のこと。

このような受動的な感情は日々生活をしている至る所で生まれています。

上司がイラついていると、なんだかこっちまでイラついてしまいますし、満員電車で不快そうにしている人を見るとこっちまで不快な思いになってしまいますし、公園で泣いている子供を見るとこっちまで悲しい思いになってしまいます。

 

このようにあらゆる場所であなたの感情は影響を受け、変化しています。

そのため、受動的に受け取る感情は逃れることが出来ないような気がしますが、高度な知性を兼ね備えているあなたは、その受動的な感情を能動的に変化させることが可能です。

 

例えば上記のようなコンビニ店員に出会った場合、こう考えてみてはいかがでしょうか。

早朝にコンビニに出勤している店員は、おそらく深夜番の人だ。

見た目からして大学生だろうか。きっと昼間は大学で勉学に励み、その後は過大に追われて図書館にこもり寝る暇もなくこのコンビニの仕事にはいったのだろう。

大学はこの辺にはないはずだから自転車で少し走らなければいけないかもしれない。そんな労力を負ってまでこのコンビニで働かなければ遊ぶお金や、もしかしたら学費さえも危ういのかもしれない。

今日はおにぎりやドリンクの品揃えも良かったし、結構納品があったのだろう。検品作業をして陳列作業をするのはなかなかにだるいだろう。

その全てをこなし、今まさに一睡もせずに僕の接客をしているのだ。

彼は一体、何時に上がれるのだろうか。6時だろうか。7時だろうか。

もしそうならば、もう少しだ。今が1番きつい時間帯だろう。

頑張れ。もう少し。もう少し。

今日は大学の講義があるのかな・・・少しバイト上がりに寝れればいいけど・・・。

こう考えていくと、このバイトの学生を抱きしめたくなってきます。コーヒーの1本でも差し入れたくなってしまいます。レジなんて僕がやっておくから、少しやすんでおけと言いたくなってきます。

これは受動的に感じる感情とは違い、明らかに自分で創り出した能動的な感情です。

 

 

コピーライティングにおけるストーリーの重要性

さて、感情には受動的なものと能動的なものの2つがあることは良く分かったかと思います。

それぞれの例を提示しましたが、実際に読んでいて受動的な例の方は不快に

能動的な例の方は明るい気持ちになりませんでしたか?

 

これは僕が書いた文章があなたの感情に与えた影響です。それは揺るぎない事実なのですが、1点確認したいことがあります。

確認したい事とは、あなたが抱いたのは受動的な感情ではあるのですが、自分が生み出した能動的な感情のような気がしなかったかと言うこと。

もしも、それが成功しているならば、それはセールスレターにおいてとても効果の高い要素となります。

なぜなら、読者が自分自身で生み出した感情であるかのように、あなたの文章を読むことになるからです。

 

あなたがセールスレターによって読者に何かモノを買って欲しい場合、もしくは読者をあなたの文章に引き込みたい場合、読者自身が自分で生み出した感情だと思うかどうかは結果に大きな差を生みます。

 

自分で生み出した感情によって、自分で「買う」という判断を下した場合、それはとても強く読者自身に刻み込まれます。それはとてもポジティブな判断だと感じるからです。

「買う」という判断をしたはいいが、「誘導された」「買わされた」という感情になってしまった場合、あなたのリピーターになってくれることはあり得ません。それはとてもネガティブな判断だと感じるからです。

 

だったら、読者自身がポジティブに判断をしたと思ってもらえて方がいいですよね。

その分け目となるポイントは2つあります。

 

1つ目はストーリーです。

ストーリーは、コピーライティングにおいて難しいスキルの部類に入ります。なぜなら、セールスレター上のストーリーであったとしてもそれは物語のセンスやテクニックが必要とされるからです。

ただ、そこまでハードルを上げる必要はありません。

その理由が分け目となる2つめのポイントに関わっています。

 

分け目となるポイントの2つ目が「より詳細を掘り下げて具体的に説明する」ということです。

僕はコンビニ店員の説明をする際に、出来るだけ描写を細かく書きました。

そのおかげで、より鮮明にあなたの頭の中にイメージが浮かびませんでしたか?

実はこれが大事です。

より鮮明にイメージさせることで、それはもうあなたのイメージになっています。僕が情報を与えてはいるのですが、あなたが過去に経験した事にすり替わっていたり、または想像によって生み出された世界が広がっています。

そうなると、強い共感を得ることができ、読者は受動的な姿勢ではなく能動的な姿勢に変わります。つまり自分自身の経験や情報だと思い込むのです。

面白小説を読むと、読み終わってもその内容を引きずる事ってありませんか?

まるで小説の登場人物に自分がなったような錯覚に陥ったり、その小説の物語が現実に起きているような気分になったり。

そんな時って、例えばスーパーで買い物をするときに何か迷った場合、あの小説の主人公ならどっちを判断するだろうか・・・という脳になっていたりしませんか?

これはもう受動的に受け取った情報を、自分の中で能動的にすり替えている瞬間です。

ストーリーが優秀であればあるほど、このような効果が期待できるのです。

 

プロのコピーライターでも「やっぱりストーリーが強い」と感じることは多々あるようです。

複数人のコピーライターが同時に同じ商品についてセールスレターを書いた場合、反応が高いものにはストーリーが組み込まれているという事例もあります。

その反応が高いストーリーを組み込んだセールスレターを書いた人は、まだコピーライターとして駆け出しの新人だったりするのですから、如何にストーリーが強いかが伺えるでしょう。

今回は人の感情には「受動的な感情」と「能動的な感情」の2つがあり、読者が能動的な感情によって判断を下すにはストーリー性が重要だということをお伝えしました。

是非、あなたの文章にもストーリーの部品を組み込んでみて下さい。